第四章 〜〜嵐の予感!? 廃れた駅での熱き闘い〜〜


 ぷしゅぅ・・・

気がつくと目の前にバスがあった。
特に慌てもせず俺はバスに乗ろうとした。
ステップに一歩目を踏み出した瞬間・・・!
金がないことを思い出した。

「すまない、乗るのをやめることにした」
「そうか、残念だ・・・じゅるり」

 ブロロロロォォォォォ

・・・・・・。
・・・また同じ過ちを犯すところだった。
俺は来た道を再び歩き出す。
とりあえず路銀を稼がなくてはならない。
ならば、商店街に繰り出すことにしよう。適当に歩いていれば見つかるだろう。
途中、キャミOH家のに向かう道から外れる。まだ行ったことのないところへ向かうことにする。

とくに意味もなくぬしとの絵。・・・・・・ぬり絵として使うよろし。


・・・
・・・
・・・
・・・のどかだ。
どこへ行ってもこの街はのどかにつきた。
道ですれ違う人々もそのゆったりとした時間を楽しんでいるようだった。
真夏の太陽がいつまでも俺を照らす。
虫たちの鳴き声がさらに熱さを駆り立てる。汗は止まることを知らなかった。
しかし、心は穏やかだった。

「それでも熱いもんは熱いんだぁ〜〜!」

ちょうどよい木陰に座り込む。
ふと、昔の思い出が脳裏をよぎる。

旅の目的は空にいる少女。
その存在を示すものはない。
根拠もない。
だが、あの時の俺には少女を探すという名目で旅をするという道しかなかった。
今までそうしてきたように、これからもその道を行くだろう。
俺は・・・それ以外の道を知らない。


しばらく歩いていると、古びた本屋が目に付いた。
何気なく雑誌を手にとって見る。適当にページをめくる。
ひときわ目立つ文字の列が見えた。



新連載SS
 『漢non〜カンノン〜』

        肉が降っていた。
      7年ぶりのこの街で・・・
    ありとあらゆる肉達が結合する中、
      俺は一人の漢となった。

 「ふんふん!!はっ!」
 朝の目覚めは暑苦しい声で始まった。
 いとこがなにやら萌えている。
 眠気はなくなった。
 起きることにする。ひとまず部屋から出る。

  ガチャ

 「ぬうん!起きたかあ!!」
 朝っぱらから目に毒なモノを見てしまった。
 いとこ・・・皆死魔雪は俺の部屋の前で腹筋をしていた。
 「うおおおし!がっこー行くぞオ!!」
 魔雪吼える。 これでも高校生である。
 「一緒のクラスだとええなあ!!」

 ・・・

 「へえ、ここが俺の通う学校かあ」
 「はあっ!!そのとーり!!!」
 真冬なのに短パン半ズボンないとこは叫んだ。
 「おおう!魔雪ではないかア!!!」
 「ぬん!顔裏ではないかあ!」
 顔裏(かおり)と呼ばれた漢(こちらも短パン半ズボン)が現れた。
 「ふん!貴様が愛沢憂一であるな!」
 すぐに俺は悟った。
 こいつの目には俺は同姓として捕らえられていない。
 寒気がした。
 「憂一、こいつぁ俺の親友・顔裏であるぞなもし」
 類は類を呼ぶ。
 「じゃあ、俺は職員室に行ってくる」
 俺は逃げた。

 ・・・

 「ぬうぅん!ふはっ!」
 職員室に入ると、まず目に付いたのは筋肉質な先生。
 そばにいた先生に事情を話す。
 そして・・・
 「おふぅ!よろしく!わしが貴様の担任、肉離隆骨である!!!」
 さっきの筋肉質な先生が言う。
 また筋肉か・・・。
 この街で俺と関わり合いのある人間はみな筋肉である。
 (魔雪はマッスルな父親と二人暮し)
 「ほおぉう!!貴様、なかなか萌え萌えな顔をしているなあ!!」
 ・・・。
 「では、ゆくぞお!俺に抱きつけえ!!」
 ああ〜(泣)
 「ほれほれほれ!どおしたぁ!照れるでないぞぉ!!」

 ・・・

 ホームルーム終了後。
 俺は三つの筋肉に囲まれていた。
 「愛沢ぁ!よろしく!!」
 「北川ぁ!こいつが、我が愛しの、魂を共有した、いとこの憂一だあ!」
 いとこの部分しか合ってない。
 「そうだったか!!うらやましいぜ!!!」
 この魔雪・顔裏・北川のマッチョ軍団に俺を引き込むらしい。
 転校初日で肩身が狭い状態なので、ここは従っておく。
 部活(ビルダー愛好会)にいく魔雪を見送り、帰宅。
 
 ・・・
 
 「ぬうぅん!!よくぞ帰還したぁ!!」
 俺はこの一言で疲れを通り越して、一気に深い闇に落ちて逝った…。
 「俺の名は皆死 秋蔵!28歳!!」




・・・。

 パタン

俺は読むのをやめた。
いつの間にかハマっていたようだ。
ふと隣の雑誌が気になった。


 「俺の名は御下劣様。
  旅の大道芸人だが、今は雪の街で無理矢理拉致し従兄弟と認めた奴(漢)のもとで同人誌を書いている。
  ゆくゆくは、全ての属性を持つ娘達を手に入れるつもりだ」


・・・。

 パタムッ

もう行こう。
本屋に踵を返し、どこへともなく歩き出した。

・・・。
今日はなんだか長い一日だ。
この街の穏やかさのせいで、漢達との戦闘が嘘みたいだ。
まるで、夢であったかのように・・・。
実際、悪夢のような時を過ごしていた。
それのせいで、今はこの静寂が心地よい。


「・・・なんだあの建物は?」

駅のようだった。
こんなところに電車が通っていたとは。
それにしては、なぜか人っ子一人見かけられない。
そのため、余計に廃れて見える。
しかし寝泊りのできる場所と考える事もできる。

だが、俺の中の何かが警笛を鳴らしている・・・。
それでも俺は、何かに誘われるようにその建物へと足を踏み出した。


・・・と思ったら落とし穴。

「いきなりすぎだ〜!!!!ふあああぁぁぁ〜!!!!」

落ちてゆく。果てしない闇の中へ・・・


気がつくと、まわりは岩のみの洞窟の内部にいた。
しかも、何故か太もものみを荒縄で縛られた状態で。
さらに鉄格子に囲まれている。

「いつの間にこんなん作ったんだ〜!!!!」

 がしゃんがしゃん!

必死に出ようとするも相手は鉄。化学式でFe。ちなみに原子量は56.55で比熱が0.1だ。びくともしない。
挙句の果てに太ももが縛られていて素敵に無敵に内股だ。とってもかっこ悪いことこの上ない。

「・・・今夜は鍋です・・・鍋には鍋の生ビール・・・」
「間抜けな奴〜!穴の下に竹槍仕込まなかっただけありがたくおもいなさいよ〜!」

内股でもがんばっていると、女とガキの2人組が俺を見て言いたい放題している。
女の方はキャミOHと同じ制服を着ていることから女子高生とみえる。・・・キャミOHのような筋肉ではないが。
ガキの方は髪を頭の真横で結わえている、言わばツインテールの生意気そうなやつ。

「お前らか〜!俺をこんなのに閉じ込めたのは〜!」
「・・・宇宙の意思です」
「お腹が減ってたって素直に言おうよナギー・・・」
「余計怖いわ〜!!」

「とにかく!お前等はいったい何者だ!ってか俺を喰う気なのか!?」
「・・・名前は、吐斧身薙(とおの みなぎ)・・・ナギーでいいです・・・ちなみに空腹です」
「海栗!(うにと読む) みち・・・げふげふ、煮汁(にじる)って名前!抱腹絶倒!」
「(げふげふ!?)ナギーに煮汁・・・また変な名前だがつっこむ気力もないな。
 俺は国山奇 人主人だ。早速だがここから出してくれ」
「海栗ゅぅ〜。どうするナギー?」

考えたようなふりをした後、3本の指を俺に突き出すナギー。

「・・・3番勝負・・・2勝できたら出します。出来なかったら・・・」
「出来なかったら・・・?」
「・・・ぽ」
「『ぽ』じゃねぇぇ〜!!!!!」
「1番目は、ナイフデスマッチ・・・」
「いきなり殺す気か〜〜〜〜!!!」
「・・・ミスター半裸さん、どうぞ・・・ぱちぱちぱち」

ナギーが呼んだかと思った瞬間にどこからともなく陽気でラテンの血が騒ぐBGMが!

「海栗ゅ〜!!!お待たせしましたぁ〜!!どこからともなくやってくる!!!その名は〜!!!!
 ミスター−半裸ァァァ!!!!!はりきっていってみよ〜!!!!!」
「ぬぅぅぅ〜〜〜〜んっ!!!!!」

もはやこの街ではおなじみの筋肉アニキだ。もはや描写するのも嫌なので省略。
あえて言うなら、上半身裸、つまり半裸、よく見ると首には蝶ネクタイ。

「じゅるり・・・これはこれはなかなか萌えどころのある殿方だなぁ!!ナギーよ感謝する!!!!!ふおぁぁ〜〜!!!(悶)」
「・・・恋の予感?」
「それは絶対ないっ!!!」
「・・・残念」
「これからですばい、・・・じゅるり」
「海栗っ!!!!破ぁっ!!!!!」

 がすっ!!!!がぎぃっ!!!!!

ふと煮汁の方を見ると堅い岩の地面にナイフを突き立てている。しかも一発で刺さっている。当然人間業ではない。

「準備完了!任務終了!!覚悟完了!?満貫全席〜!!!海栗ィィィィ〜!!!!」

こうなったらナイフデスマッチに勝利するしかないのか!?どうする!人主人!?

「さぁ逝くぞまいはにぃぃ〜!!!!!!!!!」

むんず。
掴まれた。持ってかれた。配置についた。覚悟未完。
太ももの荒縄は外してもらった。

「・・・さぁ・・・ラブラブイベントの開始だ・・・じゅるり☆」
「愛などないわっ!!!」
「・・・・・・ぽぽぽ」
「そこ!想像するな!!」

どこら辺に愛を感じるのかは俺にはわからんが戦わなければならないらしい・・・

「・・・萌え?」
「萌えるか!」
「どこを見ている!?俺はここだ!もっと俺を見ろぉぉ〜〜!!!穴が開くくらいになぁ〜〜!!!!!」

いきなり、半裸からすさまじい風圧のパンチが放たれた!!
間一髪でかわしたものの、風圧から発生した真空波で俺の服がすっぱりと切れている。

「くっはあぁぁ〜〜!!!(鼻血) よぉっしゃぁ〜!殺す前にその邪魔な服全部はいだるけん!
 おいちゃんがやさしくしたるけんのぅ〜!!!!」

半裸の気力が50はプラスした!今にもファントムフェニックスリミット解除といった状態だ!

「・・・18禁?」
「俺は断る!」
「ぶっはぁ!(鼻血)」(気力+20)

どうする・・・?このままでは俺はこの半裸によって嫁にいけない体にされてしまう!!!

…ふと誰かの声が頭の中に浮かび上がってきた。
 

 そこで少女は、同じ夢を見続けている。
 少女はいつもひとりきりで
 大人になれずに消えてゆく。
 そんな悲しい夢を、何度でも繰り返す。


…はっ!?
今ごろそんなこと思い出しても意味がない!!
というか少女見つかってないし!!
半裸はというと、はにかみながらこっち見てるし!!
ちぃ、オレは…オレは…

「オレは見た目はクールだが、行動は子供っぽくておもしろいのだ!!!」
「海栗、自分で言うなっ!!」




「控え控えぇい!!この紋所が目に入らぬか!!!(スケ)」
「ふぉぉ!?いつの間にか紋所が直っとる!!(黄門)」
「甘いわ!!そんなもん、今更何の価値もねえ!!! 見ろ!!オレの紋所が目に入らぬかぁ!!!(御下劣)」
「そ、それは!!!(カク)」
「な、なんて破廉恥な!?(スケ)」
「ふははは!どおぉぉぉだ!! ほれ、ほれ、ほれ、ほれ!!!」
「ふあぁぁぁぁぁーーーー!!!!(悶絶スケ&カク)」
「ふぉ、ふぉ、ぶふぅ!!(鼻血黄門)」
「ふははあ!!覚えておけ! オレが次期将軍候補・御下劣さまだ!!!
 オレが将軍になった暁には! 妹を大量生産する!!! 勿論、M・E・I・D・O!メイドだあ!!!
 優しくて兄貴思い!!ドジでおっちょこちょい!!!それもまたご愛嬌ぉ!!
 はわわ、はわわ、はわわぁぁぁーーー!!!! お兄ちゃぁーーーーーーん!!!」
「ぃやっほぅ!!!!!御下劣様最高ぅぅーー!!!!(スケ&カク)」
「時代じゃぁーー!わしの時代が来たぁぁぁーーー!!!!(黄門)」
「神が創りし、至極にして最高の有機生命体・人間。その頂点を極めしが! I・M・O・U・T・O!!
 兄妹愛万歳!!! ふあぁぁぁぁーーーーー!!!!!萌えろ!萌えろぉぉぉぉーー!!!!(御下劣)」
「ふぁぁぁぁーーーーー!!!妹、欲しいなぁ!!!くっはぁ!!!(カク)」
「ああ、そんなこと…でも…そうか、わかったよ、お前の頼みだ!お兄ちゃん断れない!!
 ああ!!!妹よぉぉぉーーーー!!!!!(スケ)」
「この歳にして妹を授かるとは…ああ!なんてわしは幸せ者なんじゃぁぁぁーーー!!!
 ふあああああ!!!!ふぉ!!ふぁ!!!ふぁあああああ!!!
 我が人生に一片の悔い無し!!!!!!!(黄門)」
「ぬううううううん!!!!最高!!!江戸幕府万歳!!!!
 オレを讃えよ!!!オレは神だぁ!!! 全ての森羅万象はオレのためにある!!!
 ああ、宇宙に散らばる数多の愛を…IMOUTOに捧げる…!(御下劣)」
「いやぁーー!!御下劣様!私をめちゃめちゃにしてぇ!!!(スケ)」
「御下劣様、いつ将軍になられるので?(カク)」
「まずは現将軍が死ななくてはならない! いなくなってしまえばこっちのものよ!!(御下劣)」
「よっしゃ!さっそく行きましょう御下劣様!!(カク)」
「ふぉぉ!善は急げ邪じゃ!!!(黄門)」
「ふあぁぁぁーーーー!!!!(スケ悶絶中)」

 新たな仲間を加えた黄門様一行は、
 将軍の座を手に入れるために旅立つのだった…




「海栗ぃぃぃ、いい話だったよぉ〜」
「とても有意義な内容でした」
「煮汁も妹が欲しいよ〜」
「じゃあ、私が妹になってあげる」
「え、やったあーーー!!!ナギーが今日から妹に!」
「今度メイド服着てくるからね」
「いっもうと♪いっもうと♪」
「ふん、妹より弟の方がええわい!! 毎日可愛がって…ぶっはぁ!!!(鼻血)」

3人はテレビを見ていた。
いや、オレを含めれば4人か…
いつの間にテレビを出したのやら。それよりもナイフデスマッチは?
と思いつつも、三人の意識が妹(約一名弟)に向いているうちにオレは逃げ出した。


オレの荷物を忘れずに回収。
出口を見つけるのは簡単だった。夏の爽やかな風が吹いてくる方向に・・・。
・・・意外に単純な洞窟なんだな。いや、自力で掘ったんなら凄いが・・・。

外に出る。日差しが眩しい。
青い空がオレの開放感を更に引き立てる。
自由になったところでふと、さっきの言葉を思い出す。

 そこで少女は、同じ夢を見続けている。
 少女はいつもひとりきりで
 大人になれずに消えてゆく。
 そんな悲しい夢を、何度でも繰り返す。

そう、この空の上には少女がいる。
その少女を見つけるのがオレの旅の目的だった。
この街からすぐに旅立つべきだった。少女はおろか、漢ばっかりだ!
初心に返るとはこのことだな。


バス停へと歩き出す。もともと路銀なんていらなかったんだ。
自分の足で行けばいい。
その気になればすぐに次の町に行けるはずだった。
オレは歩き続ける…。

…。

「びご〜」

…。
「びご」

…歩き続ける。

「びごびご」

……。

「びっごり、ごりっちゅ!!」
「ええぃ!うっとおしい!!」

 シュバッ

足もとに閃光が走る。
虚空に舞う獣が一匹。
セリエAもびっくりだぜ!!とお決まりの一言をつぶやいておく。

・・・一秒でも早くこの街を出よう。
バスは使わない。運転手に喰われてしまうからな。
道なりに歩いていけばいいのだ。
それにしても、この何日間は今まで生きてきた時間と同等の濃さがあった。
だからもう、何も起こらないでくれ。
そう思ったその時…

「!? バカな!!」

目の前にあの廃れた駅がある。
つい先ほど訪れた駅である。途中で落とし穴におちてしまったが。
オレは旅をしてきたおかげで、方向感覚には自信があった。
なのに…同じ場所に戻ってきた。
瞬間、オレの額を液体が流れた。冷や汗である。
オレは一つの仮説を立てていた。
それはとても非現実的で…かつてのオレなら馬鹿馬鹿しいと思うだろう。
しかしこの街で過ごした日々は、その仮説を確信へと変えてしまった。
再び汗が額を流れる。
無理矢理考えまいとする。
しかしそれはオレの思考を占拠した。

「オレは…この街から出られない…?」

不意に口にしてしまう。
つまりアレか!?無限ループ!?

オレはしばらく呆然と立ち尽くしていた。
そんな事があってたまるか!
その叫びとは裏腹に絶望感が思考を乱していく。
そして…

「わぷぷっ!」

…?
放っておけばいいのに、オレは声のする方を見てしまった。

 ヒュッ!ヒュッ!

なにかが目の前を通り過ぎた・・・・・・気がした・・・

「せーのー!はふ〜ん」
「わぷぷっ!」

 ヒュッ!

今度は俺の頬をかすめた・・・・
いて・・・・・
血・・・・
血・・・・

「って!おい!きさま!煮汁じゃないか!!」

「海栗ゅう?」
「お前、何くわえてんだよ!」
「海栗にに!これはだね、吹き矢だよ!」
「がは! 子供がそんなもん、もつな〜」
「でもうまくいかない・・・海栗ゅ〜」
「んなもんうまくいかなくていい! ・・・・・っておい!こっち向いてるって・・・・やめれー!!」

「せーのー!はふ〜ん」
「わぷぷっ!」

落ち着け・・・・・
避けるんだ・・・・・
水の心だ・・・・

目を閉じた
俺は全神経をふりそそいだ・・・

 ヒュッ!
「おらあああああああ」
 フッ!

「しゃあああ!」
「海栗ににににににににに!!!」
「ふははははは!貴様の吹き矢など俺の力を持ってすれば造作もない」
「ぽ・・・・」
「ぽ、じゃねぇ! お前もいたのか!」

吐斧身薙(とおの みなぎ)がこちらを見ている・・・

「煮汁・・・ちょっと借して」
「海栗!ナギーがやるの!?やってやって!」

「いきますね、人主人さん」
「って!俺かい!」

まあ落ちつけ、避けてやる・・・

「ふっ!」


 トン・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とん?

「海栗ににににに!さすがナギー」
「ぱちぱちぱちぱち」

俺には何が起きたかわからなかった・・・・・・・・
まあ落ちつけ・・・・
尋ねてみよう。

「ねぇ、煮汁さん・・・・何が起きているんですか?」
「海栗?自分のおでこ、さわってみたら・・・・」



「ふああああああああああああああああああああああ
 うああああああああああああああああああああああ
 ずああああああああああああああああああああああ」

ナギーの吹き放った吹き矢は、オレの額にもろに突き刺さっている・・・
はやく抜かねば!

 ずしゅ!

 しゃあああああああああああああああああ

「血血血血があああああああああああ」
「び、び、びご〜」
「ぽ・・・・」
「ぽ、じゃねぇ!はやく止血止血」
「ふっ!」

とん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「止血・・・・・」


「お前はなんて止血の仕方を!」

俺の額の穴にまた吹き矢がめりこんだ・・・・

「一応、止血しました・・・・今のうちにお医者様に・・・・いかれた方が・・・」
「素で言うな〜」
「び、びご〜」
「海栗?、さっきから、びごびごってこの子なに?」
「ってお前!さっき蹴ったはずでは! それに何で生きてんだよ!あの呪文を唱えれば、肉が飛び散る・・・・」
「ぽ!」
「ぽ、じゃねえ!」

し、しまった、俺としたことが、表現が兄貴チックに・・・・
というか、まずい表現になってしまった・・・

「と、とにかく、なんで生きてんだよ!」

「び、びご? びご、び〜ご〜、びごごごごごごごごごごごごご、びっごり」

もはやなにを言っているかわからん

「海栗にににに?この子、ついて来いっていってるみたい」
「お前、こいつの言っている事がわかるのか!?」
「お医者さんを知っているそうです」
「お前もわかるのかい!」

「びご!」
「その通りだって」
「・・・・・・は〜あ」


このままではらちがあかない
それに俺はこの状態では、いつまた出血するかもわからん。
とにかく医者がどこにいるのか知らない。
しかたなしに、やつについていくか・・・

「わかったよ、ついて行けばいいんだろ」
「びご!びご!」

「そこそこ〜どいて〜」

!?この声は・・・

「ハイメガランチャ〜せっとお!」

ロックオンカンリョウ

「はっしゃ〜〜」


ちゅどぉおおおおおおおおおおおおおおおおん


「うにににににににににににににに!」
「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽ!」
「びごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「うふぁああああああああああああああああ」
「はふ〜ん」

!?
一人多いような・・・・・まあこのさい考えないでおこう・・・・

このあたり一帯が火の海と化した。

「このあたり一帯が火の海と化した」
「いちいち説明せんでいい!」
「ぽ!」
「ぽ、じゃねぇ!」

「お前も生きてたんかい!」
「う〜ん、どうしてだろうね?」
「わからないのか・・・」
「ハイメガランチャーの威力が弱いきがするなぁ〜」
「そっちかい!」

「びご〜」
「ああ!ボデド!こんなところにいたんだね〜」
「探したよ〜」

「びごびご!」

もうどうにでもなれぃ!

「びごびごびご、びっこり」
「うんうん!」
「わかった!」
「人主人君!ついてきて〜」
「おい待て!この有様を、お前は見て見ぬフリをするのか!」
「海栗!こっちはぜんぜん大丈夫だよ!」
「はい」
「お前らは!落ち着きすぎだ」

ちなみに、この状況は本気でやばい!
あたり一面火の海だ・・・・・

「あたり一面火の海だ・・・・・」
「説明せんでいい!」
「ぽ」

ツッコむきにもなれん

「とにかく〜ついて来て〜」
「びご〜」
「そんなに血だしたら、死んじゃうよ!」
「俺よりこの町を心配しろ!」

っていっても、なんでこんな状況にもなって消防車一台も来ないんだ・・・
謎である。

「行ってらっしゃい」
「海栗にににに!、心配するな!」

まあああ言ってるのだから、放って置いてこいつらについて行くことにしよう

「こっちだよ!」
「こっちだ!ついて来い!」

「お前そういえば、喋れるんじゃねぇか!」
「び、びご〜」
「そんなことどうでもいいよ〜、とにかく走って!はやくしないと、死ぬよ!」
「そ、そうだな!」

それにしてもなんてスピードだ・・・・
それについていくオレもすごいかもしれないが・・・

「遅い!乗れ!」
「はい?ボデド?」
「早くオレの背中に乗れと言ってるのだ!」

もはやどうでもよかった。

「乗るぞボデド!」
「おう!来いや!!」

この小ささで、どのようにして乗せるかもちょっと興味がわいた・・・

な、なに!

ボデドの姿が!
メキメキメキメキ!

「しゃあああああああ!100%中の100%!」

き、筋肉が!

どすん!

す、すげ〜

この際説明するのもめんどくさい!
と、とにかくすごい姿だ!
これが真のボデド!

「乗せてもらうよ〜」
「お前も乗るんかい!」

「とにかく速くね〜ボデド!」
「がってん!しょうちのすけ!」

古いギャグだ・・・・

「はやくおねえちゃんにたのまなきゃ・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

おねえちゃん?

「ちょ、ちょっとまて」
「な、なに〜」
「お前、姉がいるのか!」
「いるよ〜」
「ま、さ、かそいつが医者とか・・・」
「そうだよ〜」

悪夢だ・・・・・
こ、こいつの姉とは・・・・・・
ま、ず、い

妹がこんなのでは、あ、姉は・・・・・

想像・・・
「よくきた!貴様を解体してやる」

「うああああああああああああああああああああああああああ」

「どうしたの〜?」

これから俺はどうなるの・・・・・

 

戻る

 

 

 

 

 

 

 

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