第三章 〜〜激戦必至! VSきゃみOH!〜〜


日差しが眩しい。
体を起こそうとする。が、体の節々が痛い。頭がぼーっとする。
日はまだ低いところにあった。朝なのだろう。

「おお、起きたか!」

そこにキャミOHがいた。
記憶が戻ってくるのと同時に絶望感がこみ上げてくる。

「昨日は貴様が起きなかったんでな!! 宴はまた今度、貴様が起きている時に決行する!NIHAHA!!」
「宴・・・?」

宴とは何をやろうとしてたんだ?嫌な予感しかしない。

「そう、ミッドナイト・パーティ!!」
「俺が起きてないとダメなのか?」
「むふふふ〜!嫌がる相手をやってしまう事に浪漫があるだろう☆NIHAHAHA!!!」
「・・・・・・・・・」

俺は今日中に、絶対にこの家から逃げ出すことを決意した。

こんな地獄の時の中、世界は相変わらずの夏だった。
平凡で幸せな日常は、この青い空の下では感じられなかった・・・。

とにかくこの家から脱出することを考える。
どうしよう・・・・・・

「うむ〜〜」

1時間考えた後、思い浮かんだのは3つ。

作戦その1!キャミOHを倒し、抜け出す!

実際の所、俺は他の男子よりも強いはず!
自分の力を120%(限界を超える力)を出せば勝てる!
それに俺は他の人間にない力があるしな。

〜想像〜
「うらあああああ!キャミOH勝負!」
「OH!やっと貴様にも、戦う汗と血の味がわかるようになってきたな!」
「よし、とりあえず・・・・」
「100%中の100%!!!!」
叫んで突っ込む・・・・・・

待てよ。
もしキャミOHを倒しても・・・・・
あの父親がいるのでは・・・・・
実際、親だから普通に考えてもキャミOHよりは強いことも考えられる・・・
却下!
危険が多すぎ!

作戦その2!法術を使い人形でやつの足を止める!

やつが人形に気を許しているうちに俺は即座に退散。
おっ!これはいけるかも・・・・・

って!人形ないやん!
それにあんな人形じゃ破壊されるのがおち!
却下!

作戦その3!兄貴を呼ぶ・・・・・・

おい!俺!そんなことできるかああああああああああ!
いつのまにかこの町に来て俺まで兄貴色に・・・・・・・・
でも待てよ・・・昨日の漢たちを呼べばなんとかなるのでは・・・・・

〜想像〜
「うら〜!!!ここまで来いやあああ」
漢B「素早いやつだ!」
漢L「やつめ、誰かの家に入るぞ!」
漢R「よし!追い込め!」

そこでつかさず俺は、キャミOHを呼ぶ!

「へっ!貴様らの相手ならこいつにしとけ!」
「キャミOH!お前と戦いたいやつがいるぞ〜」
「なに!本当か!?どいつだ!じゅるり☆」

そして熾烈な戦い!
その隙に俺は退散!

完璧だ!完璧すぎる!

でも待てよ・・・・・・・・・どうやって呼び出す・・・・・
それに俺は外に出たいんだよな?
って呼び出すには外でなきゃ駄目じゃん!
却下!

「ふあ〜馬鹿馬鹿しい!」


トイレに行こう・・・・
うん?トイレはどこだ!?

「お〜い!キャミOH!トイレはどこだあああ」
「んなもんあるかボケが!」

はい?

「気合でふんばって戻せ! 俺はいままでそうしてきたNIHAHAHAHAHAHA」
「お前の体の構造はどうなってんだよ!」

「NIHAHAHAHAHA!冗談だ!そこの角を右にまがってすぐそこだ!」
「OH!サンキュウな!」
「NIHAHAHAHAHAHA!それよりお前も言葉が移ってるな!」

がーん!
この家に来て英語混じりの言葉になってしまった!
うかつだった!
ふあああああああああ!?

まあいい、そのうち直るだろう。

「えっと、角を右に曲がってすぐそこ・・・・・・・・」

一応これがトイレか????????

まあいいこの際仕方がない・・・・田舎だしな
(そのトイレは、板に穴あけただけのしろもの・・・)

ふん!
ザバアアアアアアアア!
ドン!
ピシャアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・・・・・


ぴしゃあああ?

うあああああああああああああああああああああ!!!

「どうした!?」
「き、貴様!昨日の食事に何を入れたああああああああ!」
「OH!ただの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だ!」
「・・・・・・・いわゆる兄貴食ってやつ?」
「NIHAHAHAHAHAHAH!そうだ!それがどうした!」


兄貴食・・・・・ご想像にまかせます。

感無量!
もういい!どうにでもなれ!

とりあえず終わった・・・・・・・・
その時トイレの窓から、異様な光景を目にした。
昨日の漢たちが俺を探しているようだ・・・・・

おっ!うまくすれば作戦その3が決行できるかも!
よし!


「おーい!そこの漢ども!」
「俺はここにいるぞ!」
漢R「なに!あそこの家だっ!」
漢L「よし行くぞ!」
漢P「ま、待て、あそこは!」
漢R「うお〜〜〜」

ドッカアアアアアアアアアアン!
案の定、トイレの壁を突き破って漢達が迫って来た!

「よしこのまま来い!」
漢RL「ふん、ふん、ふん、ふん」

そこでつかさず俺は、キャミOHを呼ぶ!

「へっ!貴様らの相手ならこいつにしとけ!」
「キャミOH!お前と戦いたいやつがいるぞ〜」
「なに!本当か!?どいつだ!?じゅるり☆」

その隙に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

な!なにィー!?

漢どもが俺の周りに!な、何故だ!!
お前の相手はあいつだああああああああ
うああああああああああああああああああ
その後俺は物置に連れて行かれた・・・・・・・・・・・・・・・・・




・・・・物音がする・・・・・・・
誰かの会話か・・・・・・・

「いや〜・・・・まさか、姉御の館だなんて思っても見なかったな」
「いや!本当っスよ」
「ちなみに俺は知ってたゾ!」
「NIHAHAHAHAHAHA!みんな早とちりなんだからOH!」
一同「うい〜す!すいませんでした姉御!」
「NIHAHAHAHAH!後でトイレの壁直しておいてNE♪」


なんてことだ!!!!!
キャミOHと漢達は・・・・・・・・・・・・・・
知り合いだったのかよ!

「NIHAHAHAHA!それよりあいつを弄ばないか!」
「いいすね姉御!このごろ血ぃ見てないし」
「NIHAHAHAHAHAHAHA!!それではLet’s GO!」


い、いかん!
まずい!このままでは
俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
食われてしまう!
手足首は縄で固定されている・・・・・・・

マジで大ピンチ!
うあああああああどうしよう・・・・・

「おおっと姉御、俺にいいプランがあるですけどねぇ」
「ほほぅ?聞かせてもらおうか!!NIHAHA!」
「それは・・・ばそぼそぼそ・・・」
「ぶっはぁ!!!(鼻血) なんですと!?それはたまらんな!!俗に言う萌える時萌えれば萌え萌えって奴だ!!!」
「夢の三段活用ですな!!ならば・・・」
「うむ!!よし!準備をとりおこなうぞ!NIHAHAHAHA〜!今日はいい夜になるぜぇ〜!!NIHAHAHA〜〜〜!!!」
「姉御!今日はいつになく激しいッスね!!」
「逸材が手に入ったんだからなぁ!!」

どうやら、いきなり襲いかかるというわけではないらしい。
しかし、話を聞くかぎりではなにやらとんでもないことをされそうだ・・・

どうするどうするどうする!?
脱ぐか!?ダメだ!奴らを威嚇してどうする!?
戦うか!?無駄だ!キャミOHの戦闘力はドドリアさんの3倍はある!!(推定)
悶えるか!?阿呆!根本的に意味がないっ!!!

・・・とあわてふためくこと1時間。

その間に、幾多もの大作戦を考え実行してみた。
都合のいいことにここは物置。使えそうなものは見渡せばいくらかは揃っている。

例えば、法術で縄を斬ろう作戦。
適当で、なおかつ切れ味がありそうなものを法術で操り、縄を切るという作戦だ。
考えついた時は、「俺って天才?」とまで浮かれていたが、
操った刃渡り17cmのサイバイバルナイフ(なんでこんなものがあるのかも不思議だが)は、
縄を切らずに俺の首筋を『あと2cm深かったら死んでたねポイント』を通過し、今現在、壁に刺さっている。

「死ぬかとおもった・・・」

よって、この作戦は漢達に襲われ、もう死んだほうがマシというときの自害用として活用されそうである・・・・。

もはや抜け出すことは無理と悟った俺は、運を天に任した。
つまりは諦めた。某バスケットボール監督が俺に話しかけたような気もするが「俺は卓球がしたいです」の一言で撃墜。


その時。


 がりがりがり・・・・


誰かが物置のドアを引っかく音が聞こえる・・・!
まさかキャミOHが準備を終えてしまったのか!?
俺はこんなにも早く死ぬのか!?主人公的にそれは許されるのか!?


がりがりがり・・・


そんなことを考えつつある時も引っかく音は続いていく。もうダメだ・・・自爆するしかないのか!?


 がりがりがり・・・・

「びごぉ〜・・・」

「・・・びご??」

確かに聞こえた。人であらぬ声で「びご」と。

 ガラガラガラ・・・

ついにドアが開いた。そして外から入ってきたのは!

「・・・びご、びごびごびご、びごぉ〜」

・・・犬・・・?たぶん犬。きっと犬。なにやら異常なまでに顔が球形だが犬・・・だろう。
例にもれず、身体はマッスルボディ、顔は漢だ・・・はっきりいって怖い。
暗くてよく見えないが、何とか月明かりでネームプレートは見ることができた。

“ボデド → 正式名称:Bodyド”

正式名称がかなり意味不明である。
おそらく『ボデ』の部分を『Body』にしているのだろうが犬につける名前としてはいかがなものだろうか・・・・

そして、な、なんと、その犬(Bodyド)は俺の人形をくわえていた!
くわえているのに鳴けるのは何故だか気になったりもするがそれはそれ。

「ま、まさか・・・届けに来てくれたのか!?」
「いや全然」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・しゃべってるー!!!!!!!!」
「びご〜?」
「今更戻るな!さっき話したやんか!!寄るな触るな近づくな〜!」

いきなりの事態に動転した俺は何故か関西弁だった。

「びご〜・・・」
「騙されるか・・・!」
「・・・びご〜・・・」

落ちこんだフリ・・・をしている。

「2001年冬コミの日程は?」
「12月29・30日の2日間」
「機動戦士ガンダム第08MS小隊のOPは誰が歌っている?」
「米倉千尋」
「でばーー氏の座右の名は?」
「ぽにてのためなら父をも殺す」
「流派・東方不敗は!?」
「王者の風!」

「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・びご〜」
「今更遅いわぁ〜!!!!!!この偽犬!着ぐるみ剥ぐぞこんちくしょ〜!」

といったところで縄で縛られている俺は何も出来ないのが現状。

と、その時。

「そこそこぉ〜。あぶないよぉ〜〜〜」

何やら語尾が妙に伸びた、とろい声の次に。

 どぎゅぅん!!!ばすん!!ずどばーーーーんっ!!!!!

外から発射されたクレイバズーカ(攻撃力2000・リックディアス仕様)によって倉庫内の物が爆砕した!!!
なんとか俺は法術の応用でガードしきれたが、なんて無茶苦茶な町だ・・・

「いたいたぁ〜。探したよぉ〜」

とろい声の持ち主・・・おそらくバズーカを発射した奴が入ってくる。

「・・・お前は一体・・・?」
「あれれぇ?中に人がいたのぉ〜?まぁいいかぁ〜。
 ええっとぉ、わたし〜?私の名は、斬り死魔Kyanon!キャノンで結構だよぉ」
「・・・まともな名前はいないのかこの町に・・・」
「くにさんきひとぬしとに言われたくないよぉ」

さて、いきなり現れた斬り死魔Kyanonと犬(?)のボデド。
・・・この2人を使ってなんとかここから抜け出せないだろうか・・・?




いつもの三人(黄門御一行)と
もうかなりの歳だと思われるババァなおばさんが対峙している。

「スケを斬りカクを斬り・・・そして黄門を斬る!おじゃぁぁぁ(ババァ)」
「ぬぅ・・・なんだこのプレッシャーは!! カクさん、また“あれ”をやるしかないな!!(スケ)」
「よし、スケさんいくぞぉぉぉぉーーー!!!(カク)」
「我等のこの手が真っ赤に燃える!!(スケ)」
「勝利を掴めとぉぉぉ!轟き叫ぶ!!(カク)」
「“あれ”とは何じゃぁぁ!? もしかしなくてもアレかぁぁぁ!?(黄門)」
「ふふふ、今回は確実に殺りますぜ(スケ)」
「誰を殺るんじゃぁぁ!?(黄門)」
「ええぃ!!つべこべ言わずに逝けぃ!!!(カク)」
「ふおぉぉぉぉーーーー!!!(黄門の叫び)」

 ギャルルルルル!!

「くらえ!!!完成版、『アババァストラッシュ』じゃぁぁぁ!!(ババァ)」
「ふおおぉぉぉぉぉぉーーー!?(黄門)」

 ズシャァァァ!!
 
「こ、黄門様ーーー!!黄門様が真っ二つにぃぃぃ!!!!(カク)」
「素晴らしい・・・!!(スケ)」
「ぶじょじょじょじょ・・・(笑) 貴様らの命は今日をもって終わりにしてくれるわぁ!(ババァ)」




キャノンとボデドはどこから取り出したのかテレビを見ている。
ちなみに内容は前回とまったく関係がない(黄門とカクさんが復活しているが・・・)

「おい、お前ら!この縄をほどいてくれ」

・・・・・・
まったく気づいていない。
別なことで気を引くしかないか。

「いったいお前はいくつの武器を装備しているんだ?」
「ええとぉ、さっきのクレイバズーカにぃ、ツインバスターライフルとフォールディングバズーカ、
 ダブルガトリングガン、それとドラゴンハング・・・」

・・・最後のだけ何かが違うぞ?

「あと、アトミックバズーカ!!!」
「びごぉぉぉーーーー!!!」

それはいろんな意味でかなりやばいぞ(何故かボデドは悶えてるし)。
南国条約違反だっ!!
しかし漢達とは充分戦いあえそうだ。

「よし!今からお前らは“クニサンキ親衛隊国際機密捜査官”一号と二号だ!!」
「一号〜〜!!」
「にごぉぉーー!!」

準備は万全だ。あとはどうやって有効利用するか・・・。

「よし、お前達!この家は国際的指名手配犯の隠れ住処である! よって盛大に爆破して良し!!!」
「だめだよ〜、人の家壊しちゃ〜」
「びご!」

さっきもろに倉庫にぶっ放したやつの言うことか?
意外に利用しにくい奴等だ。
さて・・・どうしたものか。


「OHPS!なんだ貴様らは!!」

謎の漢が現れた。おそらくはキャミOHの手下と思われる。

「誰だお前は!?」
「キャミOH側近その十八、漢駆け出しだぁ!!貴様が逃げないように見張っておったのだ!」
「今まで気づいてなかったじゃないかーー!!」
「ぬぅ、細かいことはどうでもいい!!! 脱走の手助けをするならば!貴様と犬!お前たちを締め出す!!」
「この人悪い人だよ!ボデド!いくよー!!」
「ヌゥン!!任せろ!!」(ボデド)

原作さながら(?)のコンビ。この後二人のの肩幅が二倍に。


 ズバアア!!!

「何い!!キャノンとボデドの肩幅が二倍・・・いやそれ以上に!!」

オレはかなり驚いた。

「ツインバスターライフル!!」
「ボデド仕様イレイザーガン!!!」

 スゴォォォォーーー!!!

 チュドァァァァアア!!!

きゃみOH家は半壊した。
昨日屋根が狙撃された向こう隣の家は巻き添えを喰らって全壊した。哀れな・・・。

「やったねボデド!」
「びご〜」

あっけなかった。
これで俺は晴れて自由のみだ。

 ゴゴゴゴゴゴ・・・

こ、この気は・・・!!

「誰だ〜こんなことをしたのは〜NIHAHAHAHA!!」

ジョジョばりの背中の折れ曲がり具合でキャミOHが佇んでいる。
今のをもろに喰らったはずなのに、ダメージはなしなのか!?

 ドドドドドドド・・・

なんという気だ!!地球が・・・地球が震えている!!!

「NIHA〜NIHAHAHA!!」
「ぬうぅ、凄まじいエナジーを感じるぞよ!!」

今喋ったのはボデドである。

「困ったね〜。よぉし!こうなったら!」

 シュオオオォォォォ!

キャノンの体からオーラが溢れている。
前かがみになり、突撃準備完了。

「長い砲身にはこういった使い方もあるんだぁ〜〜〜〜!!!零距離ツインバスターライフル!!」

一気にキャミOHとの間を詰める。
人間の目でやっと追いきれるほどのスピードだ。
そしてキャミOHの胸部にライフルの先端を突きつける。
流石に避けられまい!

「よし!今だ!やっちまえ!!」

俺はすごく期待した!!!

「NIHA!?」
「ファイヤ〜〜〜〜〜〜!!!!」

 カチッ

「あれれ〜エネルギー切れだよ〜」
「おおおおぉぉぉぉ!!!マイ・スイート・ハニィィィィーーー!!!」

ボデドは叫んだ!!

「NIHA☆おいたが過ぎたな、NIHAHA!!」

 ゴゴゴゴ・・・!!

「ドラゴンファング!!!」

キャミOHは、ドラゴンファングと言うらしい黄色い物を取り出し握り締めた。
そしてそこからキャミOHの血が・・・

 ビシャアアア

「キャミOHの血が赤から青に・・・!?」

今喋ったのはボデドである。

「竜魔人化だよ〜!!」

キャノンは言った。

「NIHAHA☆ そしてこの形態でのみ使用可能となる技は・・・!!」
「ドルオーラかぁぁぁーーー!!」

ボデドは絶叫した。

ドルオーラ・・・。
生身のままで放つとその衝撃に耐え切れず肉体が破壊されてしまうという恐ろしい技である。

「キャミOHの手が竜の口の形に!!?」

ボデドは説明した。

「NIHAHAHA!!貴様らみんな消し去ってくれるわ!!」
「もはやキャミOHに人の心はない〜」
「もはやこれまでか!!! ちぃ!こんなことならもっと犬のふりしてあんなところやこんなところに・・・
 あああぁぁぁぁ!!!悔やまれるぅぅぅぁぁあああ!!!!」

ボデドは猛烈に後悔した!!
もう、びご〜はどうでもいいらしい。
キャミOHは射出体制に入った。眩しいほどに輝くオーラが前に掲げた両手に集中している。

「NIHAHAHAHAHAHAHA!!!この国ごと滅ぼしてくれる!!!」

かつて竜の騎士は紋章の力のみでひとつの大国を滅ぼしたという。
日本国民に逃げ場なし!

「大日本帝国万歳!!!!!」

ボデドは燃え尽きた・・・。真っ白に。

「まだ何とかなるぅ〜!クレイバズーカ!!」

 ドゴォォン

「効かぬわ!!!NIHAHAHA!!!」
「う〜」
「もう駄目だ・・・僕たちはもうお終まいなんだ・・・何もかも・・・ふふふ、ふはははは!!」

ボデドはバーサーカーモードに突入した。
いよいよキャミOHのパワーは全開したようだ。
オレも悠長に状況説明している場合ではなかった・・・!

「いくぞお!!!NIHAHA!!!」

く、これまでか・・・
俺は死を決意した。

・・・?
キャノンがいない?

 ビタッ!

「ぬおお!?」

キャミOHが唸った。
背中にキャノンが引っ付いている。

「もうこれしか方法がないから〜・・・はあぁぁ!!」

キャミOHの背後からこめかみの部分に指を突き立てるキャノン。

「ぬぅん!!離れろぉぉぉ!!!引きほどいてくれるわぁ!!! NIHAHAHAHAーーー!!」
「無理だよ〜、指先に全生命エネルギーを込めてるんだから!!!」
「なんだとお!!貴様、あの呪文を!!?NIHAHA!!!」

キャノンの手のひらに雷火がほとばしる!
あの竜魔人キャミOHでさえ振り切れないほどの力だ。

 ビタッ

「ぬっ!?」
「ボ、ボデド!」

キャノンと同じくボデドもキャミOHに抱きついた!

「日本のために死ぬ・・・こんなかっこいい死に様はねえ!!!」

ボデドは吼えた!!

「いくらこいつの竜闘気(ドラゴニック・オーラ)が鉄壁でも・・・さすがに二人分の爆発エネルギーには絶えられない〜!!!」
「NIHA・・・グオォォォ!!!」

キャミOHは無理やり引き剥がそうとする。

「おっと!そうはいくかア!!!」

 バリバリバリ!!!

「ぐあおぅッ!!!NIHAHAーーーーー!!!」

キャミOHに確実にダメージを与えられそうだ。
キャノンとボデドが俺のほうを向く。

「ぬしとくん・・・あとは頼んだよ〜」
「あばよ・・・ぬしと・・・おまえといろいろあったけど・・・ 楽しかったぜ・・・!」
「ボ、ボデドーーー!!!」

俺は無意識のうちに叫んでいた。

「でも・・・」

 おれの冒険は・・・ここまでだぜ・・・!!

「わたしもここまでだよ〜」

 カアアアァァァァァァーーーーーー!!!!

「NIHAHAHAHAーーーーー!!!(悶絶)」


 メガンテ!!!!

 ドオオオオォォォォォ!!!!


激しく狂う風の中・・・優しく輝く光の中・・・俺は一歩も動けずにいた。

 ゴオオォォォォ

その光の柱は生命の最後の輝き。
俺は素直に感じ取った・・・。
・・・
・・




残ったものは、一面の瓦礫と俺だけだった。ところどころに筋肉が転がっていたが気にしない。
それにしても、こんな騒ぎがあったのに誰一人として顔を出さない。
つくづくのどかなところだった・・・


・・・この街を出よう。
明らかにオレはお呼びでない。
俺はおぼろげながら覚えているバス停への道をゆっくりと歩き出した。


いつもとかわらない青空の下、無人のバス停でバスの到来を待つ。
ちょうど初めてこの地に降り立ったときに置きっ放しだったオレの荷物が入ったバックがそのまま置いてあった。
回収しておく。
そういや子供に吹っ飛ばされたんだったな・・・
どこからかギターの寂しげな曲が聞こえてくるようだった。
季節は夏真っ只中。


 夏はどこまでも続いてゆく。青く広がる空の下で。

 

 

戻る

 

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送